なんて日だ! [介護]
それは、母の在宅介護が始まって3日目、6月3日のこと
会社帰りに実家に向かおうとしていた時、姉から連絡が入りました。
経鼻チューブで流動食を摂取していた母が、目を離した隙にチューブを鼻から引き抜いてしまったと。
シーツやパジャマ、タオルケットも濡れてしまい、父と姉は往診の先生に連絡を取るとすぐ、着替えさせたりシーツを換えたり、大忙しになったそうです。
往診の先生はすぐに来てくださり、その時が先生とは初対面だったので、姉は今までの経緯を話したそうです。
今までの経緯----------
・両親共に「胃ろうはしたくない。口から食べられなくなったら命は終わり」と話し合っていること。
・脳出血を起こした際にも、延命はしたくないので手術はしない判断をしたこと。
・治療をしないと病院を出なければならないため、胃ろうではなく経鼻チューブにしたこと。
・母の「家に帰りたい」という希望を叶えるために、家族全員で経鼻チューブの管理や血糖値検査、インシュリン投与、体位変換等の研修を受け、やっと退院できたこと。
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それを聞いていた先生は、「わかりました。では、思い切って経口摂取に変更してみませんか?」と提案されたそうです。「口から食べられなくなったら、また鼻からチューブを入れることもできるので」と。
病院とは違い、往診の場合は経口摂取への切り換えも、臨機応変に対応できるとの説明だったそうです。
嚥下が出来るかどうかを確認した上で、流動食(液体)をゼリー状にして、口から食べさせることになったとか。
姉「流動食にとろみをつけるための粉末が必要やねんけど、その指定された品物がどの薬局にも売ってないねん探しまわってるんやけど…」
私「amazonであった明日着なら手配できるけど」
姉「お母さんが、お腹すいたって言ってる、今欲しいねん」
私「ええ~~~~~」
ということで、急遽、粉末を探しに薬局を巡る羽目に。
その粉末の商品名は「つるりんこ」。
「つるりんこ」には3種類あるようで、青いパッケージの「牛乳・流動食用」というのが良いとのこと。
途中、おとーちゃんが車で私をひろってくれたので、google mapで近くの薬局を調べながら、実家方面へ移動…
しかし、どの薬局へ行っても、「つるりんこ」はオレンジ色のものしかありません…
左から2つ目が、その「つるりんこ」。
車で移動中も、手当たり次第に電話で「介護用品の、とろみをつける『つるりんこ』の青はありますか?」と訊いてまわりますが、「ないですね~」「取り寄せなら…」という返事ばかり。
(なんでこんな商品名やねん)
とりあえず、液体にとろみがつけばいいんでしょ、ということで「とろみヘルパー」と「トロミアップパーフェクト」という商品を買い、実家へ走りました。
その合間にも往診の先生や介護サービスセンターに、この商品で代用できるか確認しようと電話を入れますが、応答なし。
実家に到着したところで、ようやく往診の先生と連絡が取れ、代用品でもよいと返事がもらえました。
汗だくの姉と私が、流動食にとろみをつけ、母の口にはこぶと…「美味しくない」と。
…そ、そんな…
なだめながら何とか少しだけ食べさせましたが、時間が遅かったのか、途中で眠ってしまいました。
…ああ、疲れた…
経鼻チューブの扱い方の研修も、そのマニュアルを作成したことも、全て在宅3日目でパーになることに。
まあ、口から食べられることになったので、結果的には良かったんですけどね…
マニュアル作るのに、連日深夜までかかったんだよな~…とか思いつつ。
その日、父からのLINEが来て「さっちゃん、今日誕生日やな、外食でもできたなかぁ」と…
即座に「できるわけない」と返信。
そう、この日は私の誕生日だったのです。夕食は外食どころか、ファミリーマートで買った、とろろそばでした。
母は寝たきりですが活発に動くので目が離せず、父の疲労もかなり溜まっているようです。
姉も私も、まだ在宅介護のリズムがつかめずに四苦八苦しています。
本当に、一人の人間を介護するのに、大勢の人の力を借りないといけないのだなと感じる毎日です。
その後、amazonで「つるりんこ」の青パッケージは無事に手に入れましたが、勿体ないので「とろみヘルパー」を使っています。当初、「美味しくない」と言われましたが、とろみを調節することで、流動食も果汁も、美味しく食べさせることができました。
まだまだ試行錯誤が続く毎日ですが、なんとか過ごしております…